第8話
コロナウイルスはどうしてこんなに移ってしまうの?(5)
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ボンテン博士
ではさっそく、③の突然変異株について続きをお話してから。④の「新型コロナウイルスはコウモリからきた」についての話に移りましょう。
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ワクチー
ヒーくん、ミクやったー!コウモリ楽しみ!
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ボンテン博士
さてそのまえに、突然変異はどうして起きるのかな?
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ワクチー
起っちゃうから、起っちゃう。
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ボンテン博士
その通りですね。
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ワクチー
びっくり、たまげた! あたっちゃった~?
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ボンテン博士
突然変異というのは、遺伝子で起きますね。ひとの遺伝子はDNAですが、コロナウイルスの遺伝子はRNA。
コロナウイルスの入り口のタンパク質は? -
ミク
スパイクタンパク質ですか?
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ボンテン博士
その通りですね。コロナウイルスは、スパイクタンパク質の他に30個くらいのタンパク質があって、そのうちの半分がウイルスの形を作っています。残りの半分は、ウイルスが増えるために必要な道具のタンパク質ですね。コロナウイルスのRNAは、この全部のタンパク質を文字にして記録しています。文字の数は、約3万字です。
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ワクチー
ぎょぎょぎょ、30,000字!
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ボンテン博士
スパイクと細胞の入り口のピースがはまると、コロナウイルスのRNAが細胞に入っていきます。そうすると、ヒトの細胞はRNAに記録された3万字を読んで、これをタンパク質に翻訳して30個のタンパク質を作ってしまいます。同時に、ヒトの細胞はRNAをたくさんコピーします。そして、コピーしたRNAを次々に読んで、これも翻訳してタンパク質を作っていきます。
こうして細胞は、たくさん出来たタンパク質とRNAとを、組み立ててコロナウイルスをどんどん作ります。これが、コロナウイルス感染して増えるということです。 -
ミク
どこかで間違えてしまうわね。全部間違えないのは、たいへんなことだわ。
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ボンテン博士
そうだね。だから、写す回数が多ければ多いほど写し間違い=突然変異が多くなりますね。
つまり、感染が広まるほど、突然変異したウイルスが多くなります。スパイクタンパク質を記録している文字は、約1300字です。
いま話題のイギリスから発生した突然変異ウイルスは、1文字が別の文字に変わった箇所が、8カ所もあると言われています。
これらの1文字が別の文字にかわったRNAから出来るスパイクは、形が少しだけ変わって、感染力などの性質が変わるものもあるようです。 -
ヒーくん
感染が拡大すればするほど、ウイルスが突然変異する確率が上がって、その中に感染力が強くなったり、重症化したりするようなウイルスができてくる確率もあがってくるということですね。怖い話ですね。
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ボンテン博士
その通りです。ヒーくんが言うように、突然変異によって、感染力が強くなったり、重症化したりするようなウイルスがでてきますが、それは、どうしてなのでしょうか?
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ヒーくん
ウイルスが進化するのかな~?
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ワクチー
ぎょぎょぎょ!ウイルスがダーウィンになっちゃう?
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イケブクロ博士
なかなか面白くなってきたわい。今日も④のコウモリの話まで行かなかったが、その話につながる話題になったのじゃ。すごいすごい!
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リバシブル総理
それでは、このへんでお開きにして、次までにすこし頭を整理してきましょう。 リバシブルリバシブル ♬♪♬♪