第32話
検査(4)PCR検査―その2
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カプチーノラテアートとお菓子 -
シーラ先生
イケブクロ博士が用意された見事なカプチーノラテアートとお菓子を召し上がりながら、PCR発見のお話を聞かせていただきましょうか。
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イケブクロ博士
よっしゃ、よっしゃ、大サービスじゃ。
発見したのはキャリー・マリスというアメリカの20代の研究者じゃ。同僚の交際相手の女性を乗せて、くねくねした山道をドライブ中に「DNAの増幅方法」のアイディアが突然閃いたということじゃ。 -
ワクチー
とつぜんひらめいた!ぎょぎょぎょ!
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イケブクロ博士
遺伝子2倍2倍のアイディアじゃな。この発見の興奮のなか「自分が思いつくくらいなら、ほかの人がとっくに思いついて論文発表しているはずだ」と過去の論文を片っ端から調べたそうじゃ。だが見つからなかった。後にノーベル賞を受賞する、この大革命ともいえるPCRの発見は、この道を少し勉強したものなら誰でも思いつけるものなので、「自分がどうして気が付かなかったのか」悔しがる人も多かったのじゃな。
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ヒーくん
コロンブスの卵ですね。分かってみれば当たり前だけれど、誰も気が付かないし難しいと思い込んでいる。
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リバシブル総理
コロンブスの卵はまだまだいっぱいあるでしょうね。ワクチーもミクもヒーくんも、チャレンジすれば楽しみがいっぱい待っていますよ。