第19話
エアロゾル(3)
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イケブクロ博士
さーて、さてさて、2番目の質問「エアロゾルは、ものの表面に着くでしょうか」からじゃったな。
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ミク
私は、お母さまとお店や散歩へお出かけの後、お洋服やマスクの布や紙にウイルスが着いたままになるのか、気になることがあります。
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ワクチー
宅急便とか新聞なんか、大丈夫なのでしょ。
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レオン先生
さーて、さてさて、
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ワクチー
おかし~ イケブクロ博士がうつっちゃった。
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レオン先生
3人とも、いいセンスしていますね。ここのところは、多くの大人たち、専門家といわれる方々でも誤解している人が多いですね。
これは次のように考えてみるといいです。 -
図19-1 -
レオン先生
この現象は、車がゆっくり走っているときに、小さな虫がフロントガラスにぶつかってこないのと同じに考えるとわかりやすいですよ。車に沿って流れる空気に虫も一緒に流されてしまう。
同じように、浮遊しているウイルス粒子も、また人の動きとともに人の体を滑ってしまい、洋服などにぶつかってきません。 -
ワクチー
わーっ、かっちょい~!
高速道路では、フロントグラスに虫がいーっぱいついてくるよ。 -
レオン先生
ワクチー、高速道路では、確かにフロントグラスに虫がいっぱいつきますね。
どのくらい速いと、虫が着くようになるでしょうか? -
ワクチー
ウーンと、100㎞かな。
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レオン先生
そうね、時速100kmでは、たくさん虫がつきますね。でも、高速道路でゆっくり走っても着きますから、70か80kmじゃないかしら。数式はできると思いますが、まだ試していません。
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ヒーくん
つまり、対面で会話しているとき、エアロゾルが顔にかかってきても、顔の動きは遅いから、顔にはつかないということですね。
会話のときに放出されるエアロゾルの速さは、どのくらいですか? -
レオン先生
約5m/秒です。呼吸の呼気のエアロゾルは1m/秒です。でもそれはすぐに減速して広がっていきますから、会話の相手にはゆっくりと広がる感じで近づきます。
でもそこから空気の流れで顔をよけていくのですね。 -
ミク
お店や散歩へお出かけの後、お洋服やマスクの布や紙にウイルスが着かないのも、同じですね。そして、宅配便や、新聞も同じですね。
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ボンテン博士
これが飛沫になると話が違ってきます。
咳は10m/秒、くしゃみは20から60m/秒の速度で口を飛び出して落下していきます。くしゃみで飛び出す大きな飛沫は1.8mくらいまで届きます。
このギネス記録のような距離が、ソーシャルディスタンスの基準になっているのですね。 -
ワクチー
ぎょぎょぎょ、変なギネス記録だな。
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ボンテン博士
会話の飛沫はせいぜい1m以内に落下します。
マスクをしない対話の対面距離を1mとるのは、このためですね。 -
イケブクロ博士
ディスカッションは良いのぉ。これでみんなだいぶ分かってきたじゃろぅ。
つぎは、感染しないために、この流体力学でわかったことを、うまく生かすことなんじゃ。
じゃがな、みんなよくしゃべって、喉もかれぎみじゃから、カンロ飴でもなめながら、しばらく雑談時間にするかのう。 -
リバシブル総理
イケブクロ博士の指導でエアロゾルに重点を置いて施策してから、リバシブル島は感染0を保つことができています。
感染防止の第一歩はエアロゾル感染に最も注意!です。