第17話
エアロゾルとマスク
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レオン先生
おいしい桜もちにイルガチェフェコーヒーで、楽しいお茶の時間があっという間でした。さっそく、エアロゾルの話からしましょう。
コロナウィルスの大きさは、直径約0.1マイクロメータですね。実際には0.08~0.16マイクロメータです。
それで、空気感染のウイルスはむき出しではなく、飛沫やエアロゾルの中に含まれています。 -
ヒーくん
飛沫は誰もが使う言葉ですが、エアロゾルは、使わないことの方が多いと思います。よく聞く小さな飛沫や飛沫核と、エアロゾルはどうちがうのでしょうか。
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イケブクロ博士
良い質問じゃな。わしからお答えしよう。
小さな飛沫も、飛沫核も、エアロゾルも、ほぼ同じようなものじゃ。しかしじゃな、大きな飛沫と小さな飛沫(飛沫核、エアロゾル)は、コロナウィルスの感染経路と感染防止においては、全く違うのものとして、はっきりと区別しなければならんのじゃ。
大きな飛沫が飛沫感染、小さな飛沫(飛沫核、エアロゾル)が空気感染ということだが、わかりにくいじゃろう?それで、わしは飛沫感染は飛沫で感染し、空気感染はエアロゾルで感染するとしたのじゃ。世界の趨勢も、だんだんそのようになって来とるよ。 -
ヒーくん
これですっきりしました。
大きな飛沫とか小さな飛沫や飛沫核というと、何マイクロまでは大きく何マイクロ以下が小さいのか、浮遊する小さな飛沫は何マイクロ以下なのか、ごちゃごちゃになります。エアロゾルの大きさも幅がありますが、浮遊して空気感染するものと考えれば、直径がいくらかとか考えないで済みます。
だから、感染予防という点から、エアロゾルと飛沫という言葉を使うのが単純明快でいいと思います。 -
レオン先生
ヒーくんは、ものごとを科学的に考えられるようになりましたね。すばらしいことですよ。私たちは、コロナウィルスに感染しないためにどうすればよいかを考えて、行動することが何よりも大切ですね。
大きな飛沫と小さな飛沫の違いを区別したり、その大きさと飛沫、空気感染との関係を知るということは、研究としてはテーマにはなりますが、感染予防にはならないですね。感染しないためにはエアロゾルというものが浮遊して空気感染する、だからエアロゾルに注意しようという正しい判断ができる方が大切です。 -
リバシブル総理
政策にも、科学な考え方が大切です。
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レオン先生
リバシブル君は、昔からものごとを科学的に考えていましたね。リバシブル島で感染0を実現させたのも、うなずけます。
寄り道しましたが、少し話を先に進めましょう。イケブクロ博士、エアロゾルの直径は0.3から0.5マイクロメータと定義されていますね。 -
イケブクロ博士
はい、先程来の話で、正確な大きさはどうでもよいっちゃどうでもいいのじゃが、一応そのように定義づけてガイドブックなどを作っています。
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ボンテン博士
飛沫は0.5マイクロメータ以上と定義づけていますね。
飛沫とエアロゾルの定義づけでは、大きさとともに飛沫は感染者の咳、くしゃみで吐出されるウイルスを含む水滴で、重いのですぐに落下します。
感染者の呼気、会話、歌などでも飛沫は放出されます。無症状の感染者からの飛沫で特に問題になります。
エアロゾルは、感染者の呼気、会話、歌などに伴って放出されるウイルスを含む微小水滴で、軽いので空中を長時間にわたって浮遊します。
空気の流れにのって長い距離浮遊し、換気によって消失します。エアロゾルは咳、くしゃみでも発生します。 -
問題
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レオン先生
では、エアロゾルと飛沫と、空気の流れの話にうつりましょう。
まず、問題です。
1. エアロゾルはマスクを通り抜けるでしょうか
2. エアロゾルは、ものの表面に着くでしょうか
3. エアロゾルの中で、ウイルスはどのくらい生きているでしょうか
4. 飛沫はどのくらい飛んで、落下するでしょうか -
ワクチー
ヒーくん、ミクへーい、ほーい、はーい
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イケブクロ博士
みんな、こたえは分かっているようじゃが、わらび餅と煎茶で休憩としようのぅ。
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ワクチー
ヒーくん、ミクだいさんせーい!
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リバシブル総理
それは それは、さんせいです。