第12話
コロナウイルス(5)
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イケブクロ博士
今日もレオン先生がご一緒していただけるんじゃよ。
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レオン先生
私も楽しみにして来ました。今日もお話をゆっくり聞かせてくださいね。
たしか、ヒーくんがお話すると聞いていましたが…。 -
イケブクロ博士
そうでしたな。ヒーくん、始めましょうかのう。
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ヒーくん
では、始めます。
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図7 -
ワクチー、ミク
まってました、大統領!ヒーくん、かっちょいい!
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ヒーくん
右の全体図7から、順番に起こることを図を切り取って説明していきます。
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図8 -
ヒーくん
まず、コロナウイルスが体の中に入り、細胞の中に侵入するところです。
コロナウイルスは、鼻の粘膜、口の粘膜、あと目の粘膜に付くと、体の中に入ります。 -
ボンテン博士
ヒーくん、よく調べたね!これは、感染しないために、とても大事なので、みなさんよく知っておいてください。
鼻、口、目の粘膜から入り、顔や手など他のところにべったりついたとしても、体の中には入りません。 -
ヒーくん
次に、鼻、口、目の粘膜の細胞や肺の細胞などに、コロナウイルスは侵入します。侵入するところは、細胞のACE2受容体です。
これまでよく図にでてきた、コロナウイルスの細胞入り口門です。
❶のように、コロナウイルスの、スパイクタンパク質はACE2受容体にぴったりはまります。
パズルのピースがはまるようにぴったりはまると、コロナウイルスの遺伝子RNAが、細胞の中に入り込みます。
そうするとRNAはコピーされて、2倍、2倍と増えていきます。
❷のところです。 -
ボンテン博士
鼻や口や目や、肺の細胞が、コロナウイルスのRNAをコピーして増やすのですね。
コロナウイルスは、細胞の中にRNAを入れるところまでしかやらず、あとは全部細胞が仕事をします。 -
図9 -
ミク
コロナウイルスは、一番のなまけものね。
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ワクチー
それなのに、ヒトの細胞がコロナウイルスを増やしちゃうの?ほんとに、ずるっこだね。
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ヒーくん
その通りのようだよ。
RNAには、コロナウイルスの情報が文字として記録してあります。
コロナウイルスの情報とは、コロナウイルスの形の‘部品’タンパク質の情報や、形を作るために必要な‘道具’タンパク質や、RNAを増やすときに必要なたんぱく質の情報です。 -
ミク
お家に例えると、柱や床や屋根の材料を作る情報とか、のこぎりや、釘やのみなど、お家を作る道具の情報ということね。
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ワクチー
ミクの例えがわかりやすいから、わかっちゃった!
でも、RNAには、その情報が文字で書いてあるの? -
ヒーくん
そうです。
RNAの文字❸を翻訳して❹、コロナウイルスの約30個のタンパク質をヒトの細胞が作ります。その中にはスパイクタンパク質もあります。 -
図10 -
ヒーくん
つぎに❺で
形を作る道具タンパク質を使って、RNAと部品タンパク質を組み立ててコロナウイルスを作ります。まわりを包む膜は、ヒトの細胞にある膜を利用してしまいます。
そうして、コロナウイルスが出来上がります。 -
図11 -
ヒーくん
こうして出来たコロナウイルスは、細胞の外に放出されます。以上です。
- パチパチパチ(一同拍手)
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リバシブル総理
ヒーくんの素晴らしいプレゼンテーションでした。ありがとう、ヒーくん!
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イケブクロ博士
これで、「ワクチン」の話のつづきや、「感染しないために」の話にうつっていくことができるわい。
ヒーくんには、おだんご3本じゃ。